【症状】激しいかゆみ、二次的な皮膚疾患も
アトピー性皮膚炎の多くは、若齢犬に発症します。主な症状は激しいかゆみや皮膚の赤みなどで、それらが眼や口の周り、耳、脇の下、お腹、足の先端などに起こります。慢性化すると、皮膚があれて湿疹が見られるようになり、膿皮症や脂漏性皮膚炎などの二次的な皮膚疾患を引き起こします。また、外耳炎や結膜炎などの合併症を引き起こす場合もあります。アトピー性皮膚炎のほかに犬のアレルギー性皮膚炎の代表的なものとして、ノミアレルギー性皮膚炎があります。ノミアレルギー性皮膚炎では、背中から腰、尾のつけ根など、ノミにかまれやすい部位にかけて、脱毛や赤い発疹(ブツブツ)が見られます。
【原因】ハウスダストマイト、カビの胞子などの吸引が原因に
アトピー性皮膚炎は、アトピー素因のある犬が、空気中に漂う花粉やハウスダストマイトやカビ(真菌)の胞子などのアレルゲンを吸い込み、それらに体内の免疫が過剰にはたらくことが原因で起こります。皮膚のバリア機能や保湿力が低下していることも、発症の1つの原因となります。
【治療】薬剤による治療、皮膚のケア、アレルゲンの除去など
アトピー性皮膚炎の治療は、炎症やかゆみを抑えるための薬物療法が基本となります。同時に保湿をよくおこなって皮膚のバリア機能を正常化することや、原因となっているアレルゲンとの接触を回避することも大切です。こまめな掃除、シャンプーなどでアレルゲンを少しでも減らすよう、日頃から心がけましょう。
【予防】生活環境を清潔に保つこと
アトピー性皮膚炎を確実に予防することは困難です。そのため室内環境を清潔に保つことが大切です。皮膚炎などの症状がみられる場合には、動物病院で詳しく検査を受けましょう。