「慢性便秘」に使われる漢方薬
- 麻子仁丸(ましにがん)
- 潤腸湯(じゅんちょうとう)
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 四逆散(しぎゃくさん)
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) など
便秘で死ぬということは滅多にありませんが、お腹が張って痛かったり苦しかったり、時に便を出そうといきんで吐いてしまったりと、便秘はつらい状態です。そのためか、西洋薬でも漢方薬でも便秘を改善するお薬は何種類もあります。飲んだ後に「すっきり出して食欲も元気も復活!」、「ゆるくなりすぎてお尻を汚すこともない!」というお薬であれば、どちらを利用するのも好みと言えるかもしれません。
しかし、慢性的に便秘が続く場合や便秘と下痢を交互に繰り返すといった場合は漫然と瀉下剤に頼るのではなく、食事内容や運動を含めた生活環境を見直すとともに、体質改善として漢方薬を利用してみるのもひとつかもしれません。
便秘の原因には、大腸癌や前立腺癌などの腹腔内腫瘍、前立腺肥大といった重大な病気があるため、便秘を繰り返す場合は西洋医学的な検査もしっかり受けておきましょう。
「慢性下痢」に使われる漢方薬
- 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
- 人参湯(にんじんとう)
- 真武湯(しんぶとう)
- 五苓散(ごれいさん)
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 藿香正気散(かっこうしょうきさん)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) など
数週間も下痢が続く場合、慢性的な下痢と診断されます。お腹が普段から弱く食べすぎたり、普段と違ったものを食べたりするとすぐ下痢してしまう、下痢と便秘を交互に繰り返す、便の最後だけ緩い、といった場合などは症状の改善に漢方薬が適していることがあります。
しかし、細菌・真菌・寄生虫による感染症や消化管内の腫瘍、膵外分泌不全、甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、炎症性ないし蛋白漏出性腸疾患といったものでは、西洋医学的な治療をメインとする方が有効です。
慢性的に下痢が続く場合は、感染症や腫瘍などが隠れていないかどうか何度か検査を繰り返し、しっかり原因を追究しておきましょう。