獣医療で使われる漢方薬とその用途
それぞれの漢方薬について、生薬の構成など、より詳しい情報を知りたい方は、漢方薬名で検索してみてください。
漢方薬を使ってみたい方は、まずかかりつけの獣医師に相談してみましょう。また漢方薬を治療に取り入れている動物病院も増えていますので、そうした病院を探すのも一つの方法です。
「皮膚病」に使われる漢方薬
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 消風散(しょうふうさん)
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
- 温清飲(うんせいいん)
- 小柴胡湯(しょうさいことう) など
漢方薬は西洋医学で手こずる皮膚病に思わぬ効果をもたらしてくれることがあり、慢性の皮膚病や西洋薬が奏効しない皮膚病に有効な場合があります。また、西洋薬と併用するとより効果的なこともあります。
ただ、一口に皮膚病と言っても原因は様々。きちんと皮膚病の原因を調べ、細菌や寄生虫などの感染性疾患、重度の免疫介在性疾患など西洋薬が有効なものは西洋薬で治療した方が効果的です。また、アレルギーがあれば西洋薬・漢方薬どちらの治療を受けるにしても、アレルゲンを可能な限り排除する生活をし、皮膚・被毛を清潔にして保湿していくことが不可欠です。
「嘔吐・吐き気」に使われる漢方薬
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- 五苓散(ごれいさん)
- 六君子湯(りっくんしとう)
- 二陳湯(にちんとう)
- 理中湯(りちゅうとう)
- 藿香正気散(かっこうしょうきさん)
- 抑肝散加陳皮半夏湯(よくかんさんかちんぴはんげとう) など
嘔吐や吐き気は胃腸の病気だけでなく、様々な病気によっても引き起こされます。例えば、目の病気である緑内障や腎臓疾患、肝臓疾患といったことが原因で吐き気や嘔吐がみられることもあります。また、犬では異物の誤食が原因となることも。
病気の原因に応じて漢方の適否や使う漢方薬の種類も変わってくるため、西洋医学的な検査で病気の原因を明らかにしておきましょう。