まず手術を考える前に、食事の変更を含めた内科療法を
手術で肛門を広げることは可能ですが、生後2カ月といえば食事もミルクから離乳食へと変わったばかりの時期であり、鎖肛の手術に関係なく、下痢や便秘といった便の異常がよく見られます。このため、一足飛びに次の手術、と考える前に便の軟らかさを調節するような別の食事やお薬をいくつか試してみてはいかがでしょうか。
例えば、鎖肛手術後の処方食には、便となる成分がほとんどない(低残渣/ていざんさ)食事や、逆に繊維分の多い食事が使われたりしますし、便が硬すぎる場合は作用の穏やかな便秘薬を使ったり、腸内環境を整えるのに整腸剤を使ったりすることがあります。
主治医の先生とご相談しながら、まずは食事の変更を含めた内科療法で便の硬さを調節することを目標にしてみられることをおすすめします。
ただ、鎖肛にともなって結腸が広がって元に戻らなくなり、便秘になってしまうことがあります(巨大結腸症)。この場合、いきむと硬い便の隙間からドロドロの便が出てきてお尻が汚れることもありますので、巨大結腸症がないかどうかを一度確認しておくのもいいでしょう。
※鎖肛(さこう)…肛門が閉じたまま生まれてくる先天性疾患。