愛犬の「蚊」対策、どうしてますか?“敵”を知りつくして、ガードを固めよう

Petwell(ペットウェル)では、犬の飼い主さんを対象に、愛犬が蚊に刺されることに対して、どんな意識をもち、どんな対策を望んでいるのか、アンケート調査を実施しました(2014年9月実施/WEB調査/サンプル数=505)。その結果をご紹介するとともに、寄生虫研究の第一人者である獣医学博士・佐伯英治先生に取材し、あまり知られていない蚊の生態についても明らかに!今年は「蚊」を知り尽くして、徹底ガードめざしましょう。

2015年5月25日RSSRSS

【取材協力】
佐伯英治先生(サエキベテリナリィサイエンス)

獣医師、獣医学博士。主に小動物の学術コンサルタントや野外臨床試験の実施あるいは講演・執筆活動をおこなう。麻布大学大学院客員研究員、埼玉県立大学非常勤講師など教育にも携わる。専門領域は獣医臨床寄生虫学、小動物感染症学。最新著書に「犬・猫・エキゾチックペットの寄生虫ビジュアルガイド」(インターズー)。東京都獣医師会会員、日本獣医寄生虫学会評議員、日本寄生虫学会評議員、獣医臨床寄生虫研究会理事のほか、多くの学術団体に所属。

【記事制作協力】
バイエル薬品株式会社(http://www.bayer-pet.jp/pet/

愛犬が蚊に刺された経験について「不明」が40%超。犬は人より蚊に刺されにくい?

愛犬が蚊に刺されることについて、飼い主さんはどのように受け止めているのでしょうか。愛犬が蚊に刺された経験について尋ねたところ、「わからない」と答えた方が40.6%。「刺されたことがない」と答えた方(16%)と合わせると6割近くに。もしかして、犬は、人より蚊に刺されにくいのでしょうか?!

獣医学博士・佐伯先生のコメント
蚊は、ほ乳動物の呼気に含まれる炭酸ガスに反応して、近づいてきます。近くまで飛来すると、今度は体温に反応し、ターゲットに付いて吸血します。犬は毛に覆われているので蚊が刺しづらいのですが、人のように蚊を追い払ったりしない分、まぶたや鼻、耳などを刺されていることが多いのです。飼い主さんが気づいてないだけかもしれませんね。

飼い主さんの95%が蚊に「刺されることに不安」。そもそも蚊はぜ吸血するの?

愛犬が蚊に刺されることについては、「とても気になる」(57.2%)、「少し気になる」(37.4%)を合わせて約95%の方が、不安に感じています。

獣医学博士・佐伯先生のコメント
蚊の寿命は短くて、だいたい30~40日ぐらい。産卵のためにメスだけが吸血します。交尾は一生に1回ですが、精子をストックしておいて、何回も卵を産み続けます。吸血して3~4日すると産卵しますが、その間は血を吸いません。そして産卵後24時間以内に、吸血意欲が復活してきて、次の吸血をする。それを繰り返して、一生に最多で6~7回産卵することもあります。

不安の理由は「フィラリア感染のリスク」と「かわいそうだから」

飼い主さんが、愛犬が蚊に刺されることに不安を感じる理由は、主に「フィラリア感染のリスク」(67.6%)と「愛犬がかわいそうだから」(65.1%)。実際、愛犬が蚊に刺された場合、どんな被害があるのでしょうか?

獣医学博士・佐伯先生のコメント
蚊に刺されて問題なのは、吸血だけでなく、様々な感染症の病原体を運ぶから。蚊に刺されることで、人だとデング熱や日本脳炎、犬だとフィラリアなどに感染するリスクがあります。日本でフィラリアを媒介する蚊は16種類ほどいますが、なかでも感染源となりやすいのが、トウゴウヤブカ、アカイエカ、コガタイエカ、ヒトスジシマカなどです。
アカイエカなどは高いところを飛び、もともと鳥類などを好適ターゲットとする蚊。対してヒトスジシマカはヤブカの一種で、小さな水たまりのある環境で繁殖し、草むらの低い位置(人の膝下ぐらい)に生息します。犬は体高が低く、また蚊を寄せつける要因となる体温が人より高いため、格好の餌食になってしまうかもしれません。

 

人の場合、蚊に刺されたときのかゆみは非常に不快ですし、とくに秋口に刺されると、赤く大きく腫れて、かゆみもいっそう増す気がします。犬にはかゆみによる不快感はないのでしょうか?

獣医学博士・佐伯先生のコメント
秋口に重症化するのは、初夏ごろから何度も刺されてきたことにより、アレルゲンに対するかゆみ閾値(いきち:かゆみという症状が出るまでに蓄積される刺激の総量)が下がる、またはかゆみ刺激が過度に出てしまうからでしょう。犬は人ほどかゆみは感じないようです。なので、刺されていても飼い主さんは気づきにくいかもしれません。

これなら使ってみたい!飼い主さんが熱い視線を注ぐ駆除剤とは?

飼い主さんは、愛犬をねらう蚊の対策として、どのような薬の使用を望んでいるのでしょうか?84.2%と非常に多くの飼い主が「あれば使ってみたい」と答えたのは、「1回の投与で、ノミ・マダニ駆除と蚊よけができる、動物病院で処方される薬」。一方、ホームセンターやペットショップなどで「市販されているノミ・マダニ駆除と蚊よけができる薬」は、効果や副作用の面で懐疑的な声が少なくありませんでした。

獣医学博士・佐伯先生のコメント
市販の虫よけにもいろんなタイプがありますが、確かに効果が疑わしいものも。最近の飼い主さんは、愛犬に対して自分の子どものように接しています。蚊に刺されたらかわいそうという気持ちから、効果が確かな薬なら使ってみたいというニーズはあると思います。

また蚊などの吸血昆虫に対する駆除薬に望む効果として、「虫を殺す効果」(10.5%)、「虫が咬みつかない効果」(19.2%)よりも、「虫が寄ってこない忌避効果」を挙げる方が70.3%を占めました。

今回の調査結果から、蚊が愛犬を刺すことに関して、不安や不快感を持っている飼い主さんが大半であることがわかりました。一方で、実際に愛犬が蚊に刺された経験があるかは、把握していない飼い主さんが多いことが判明。寄生虫研究の第一人者である佐伯先生が指摘するように、蚊の恐ろしさは感染症の病原体を運ぶことにあります。
気温が上がり蚊が増えてくるこれからの季節、愛犬を適切な方法で蚊がもらたす被害から守ってあげることが大切です。愛犬をねらう蚊についての詳しい情報は、こちら(外部サイト(「病気を運ぶ、危険な空飛ぶ注射器「蚊のナニコレ!」 – バイエル薬品株式会社」)でご覧いただけます。また、マダニ・ノミ駆除とともに、蚊を寄せつけない機能をもった駆除薬については、こちら(外部サイト(「吸血昆虫の蚊・マダニ・ノミには!」 – バイエル薬品株式会社」)をご参照ください。

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