ペットオーナーは、パッケージ表示をきちんと読み取ろう!
ペットフード安全法で、パッケージの記載情報がより詳細に
ペットフードのパッケージに記載されている情報が、以前より詳しくなっていることにお気づきですか? ペットフード安全法では、飼い主さんが商品の安全性を確認するのに必要な情報が得られるよう、「表示基準」を設けています。パッケージの表示は、実は役立つ情報の宝庫。ペットフードを利用する場合は、必ず確認するようにしましょう。
パッケージ表示の読み取り方
ペットフード安全法で表示が義務づけられているのは、次の5項目です。
1. 名称
商品名。犬用か猫用かわかりにくい場合は、「犬用」や「ドッグフード」などと併記する。
Point!
犬と猫は食性が違い、必要な栄養素も異なります。犬と猫の両方を飼っている飼い主さんのなかにはフードを兼用する人もいるようですが、健康トラブルの原因になりかねません。犬には犬用、猫には猫用のものを。
2. 賞味期限
指定された保存条件で未開封のまま保管した場合に、栄養価や味が保証できる期間。年月がわかりやすく記されていなければならない(製造年月が記載されている製品の場合は、賞味期限までの期間と併せて記載)。
Point!
添加物には敏感でも、意外と賞味期限に無頓着な飼い主さんは多いようです。酸化の進んだフードは風味が落ちるだけでなく、体にも良くありません。安いからとまとめ買いをする前に、賞味期限までに使いきれるか考えてみて。
3. 原材料名
原則として、添加物を含め使用した原材料をすべて表示しなければならない。また、添加物を甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤および発色剤の目的で使用する場合は、何のために使われているのかがわかるよう、用途名と併記(ミックストコフェロールという添加物名だけでなく、酸化防止剤(ミックストコフェロール)と記載)する。
Point!
原材料のすべてが表示されるようになったので、ペットに食物アレルギーがある場合もチェックが簡単に。また、添加物についても用途と名称が明記されているので、知らない物質や気になる成分があれば、自分で情報収集ができます。
4. 原産国
フードの最終加工工程(ドライやソフトドライタイプでは押出し成型工程、ウェットタイプではレトルト殺菌工程、練り加工タイプでは練り成型工程など)が終了した国を記載しなければならない。
Point!
原産国とは最終加工が行われた国で、原材料の産地ではありません。ただし、事業者にはフードの原材料から流通までの履歴をきちんと記録しておくことが求められていますから、もし事故が発生した場合は、原材料まで遡って原因究明が行われます。
5. 事業者名および住所
事業者の種別(製造・輸入・販売)と名称、所在地を記載しなければならない。
さらに、ペットフード安全法で定められている上記5項目のほかに、ペットフード公正取引協議会において、「目的」・「内容量」・「給与方法」・「成分」の表示が定められています。
Point!
「成分」とは、脂肪、タンパク質、繊維質などの栄養成分比を示すもので、銘柄によって数値に差があるので、ぜひ比較してみましょう。体重が気になるペットなら脂肪を抑えたものを、運動量の多いペットならタンパク質比率の高いものを・・・など、ペットの健康を守るうえで、フード選びの大切なポイントの一つです。
ペットの健康を守れるのは飼い主さんだけ
ペットフード安全法によって、ペットフード業界の安全への取り組みの強化、健康に被害をもたらしかねない粗悪なフードの排除が進むことが期待されますが、それだけで100%の安全が保証されるわけではありません。
飼い主さん自身が、パッケージの情報にきちんと目を通し、良質なフードを選ぶ選択眼をもつこと。そしてフード選びだけでなく、適切な与え方や保管方法を理解することも大切です。最終的にうちのコの健康を守れるのは、飼い主さんだけなのですから。