歯周病は、猫に多く見られる疾患であるのにも関わらず、その原因となる細菌については、 あまり研究されてきていなかった。今回の研究では、最先端のDNA配列決定技術を用いて、猫の歯垢に存在する267の細菌種を特定し、健康な猫と歯周病の猫の違いを詳述したデータベースを構築。その結果、猫の歯周病の原因となる細菌種を初めて特定し、より効果的な治療への道が開かれたという。
また今回の研究では、猫の歯垢に存在する細菌種が、人間で見られる細菌種より犬の歯垢で観察される種に類似しているということが明らかになった。これは、人間の口腔疾患を引き起こす細菌を対象にした治療は猫には効果が見込めず、犬に効果的な治療から学ぶ方がよい結果をもたらすことを意味しているという。
マース ペットケアのウォルサム®研究所に所属する口腔衛生学の研究員イアン・デイビス (Ian Davis)博士は「この研究結果は、疾患の原因となる細菌を特定した食事療法を通じて、猫の口腔衛生を改善させる可能性を探る第一歩となります」とコメント。
また、猫の飼い主に対して「猫が犬と同じように歯周病にかかりやすいこと、また、口腔衛生を保つためのケアを継続する大切さを理解する必要があります。つまり、歯磨きや歯の治療、歯の健康のためのスナック(おやつ)や食事を取り入れることが理想的です。」と述べている。