
猫のフィラリア症、「知っている」が78%も、「なんとなく知っている」が6割近く
「猫がフィラリア症にかかることを知っているか」を猫オーナーに聞いたところ、「知っている」(77.9%)が「知らない」(22.1%)を大きく上回るという結果に。ただし「詳しく知っている」と回答した方は21.4%にとどまり、「なんとなく知っている」(56.5%)という猫オーナーが6割近くになること分かりました。
猫のフィラリア症を「危険な病気だと思う」猫オーナーが85%以上にのぼる
猫がフィラリア症にかかることを知っている猫オーナーに、「どのくらい危険な病気だと思っているか」を聞いたところ、「どちらかといえば危険な病気だと思う」と回答した方が最も多く(48%)、「とても危険な病気だと思う」(37.3%)と合わせると、85%以上の方が危険な病気だと認識していることが分かりました。
猫のフィラリア症予防率は15%。犬の予防率(91%)と比較すると、顕著に低い割合
一方で、実際にフィラリア症の予防をしているかどうか聞いたところ、昨シーズン、フィラリア症を「予防していた」と回答した猫オーナーは14.5%。フィラリア症を危険な病気だと認識しているにも関わらず、自分の愛猫には予防をしない猫オーナーが多いことがわかりました。一方で、犬オーナーは90.8%が「予防していた」と回答。猫オーナーと犬オーナーの、フィラリア症に対する予防意識の差が顕著にあらわれるという結果になりました。
猫のフィラリア症を予防しない理由は「室内飼育だから」が約69%で最多
さらに、「予防をしていなかった」猫オーナーにその理由を聞いたところ、「室内で飼育しているから」(68.7%)が最も多く、次いで「獣医師にすすめられたことがないから」(44.6%)があげられています。室内に蚊が入ることもあるため、外に出ない猫でもフィラリアに感染する危険性はあります。集合住宅の6階で室内飼育されていた猫がフィラリア感染していたという報告もあり、予防しない理由として室内飼育をあげている猫オーナーには誤解や油断があるといえます。
「10頭に1頭の猫がフィラリア症に感染していた」という報告を聞くと、予防の必要性を感じるオーナーが95%に上昇
自分の愛猫には予防をしていない猫オーナーが多い一方で、「10頭に1頭の猫がフィラリア症に感染していた」という調査報告を聞いた場合、「予防が必要だと感じる」(38.9%)、「予防が必要かもしれないと感じる」(55.7%)、合わせると94.6%のオーナーが愛猫への予防の必要性を感じるという結果になりました。猫のフィラリア症の感染リスクに関する詳細な情報を得ると、猫オーナーの予防意識が一気に高まることがうかがえます。
今回の調査では、猫がフィラリア症にかかることを認知し(77.9%)、危険な病気だと認識している猫オーナーが多い(85.3%)ことが分かりました。ただし、実際のフィラリア症の予防率は低く(14.5%)、自分の愛猫には感染しないと思い込んでいるオーナーが多いことがうかがえます。また予防しない理由として「室内飼育だから」をあげるオーナーが多く(68.7%)、油断や誤解が生じてしまっていることが分かります。一方、「10頭に1頭の猫がフィラリア症に感染していた」という事実を聞いた場合、愛猫への予防の必要性を感じるオーナーが大多数(94.6%)となり、フィラリア症に関する正しい情報の提供により、猫オーナーの予防意識が大きく変わることが分かりました。
猫のフィラリア症について解説:見附動物病院/日本動物高度医療センター(非常勤)
星 克一郎 先生
猫のフィラリア症は、確実な治療法が確立されていません。また、感染しているかどうかの診断も難しく、検査をおこなっても確定できないことがほとんどです。またフィラリアの研究が進んでいるアメリカでは、室内飼育の猫であっても室外飼育の猫と同様にフィラリア感染があり、その危険性は室内飼育と室外飼育で変わらないことが報告されています。そのため、猫のフィラリア症は定期的な予防がなにより大切になります。
猫のフィラリア症は、予防薬を月1回投与することによって予防できます。予防期間は地域の気温の推移によって異なるため動物病院で指示を受けてください。予防薬にはスポット剤や内服薬があります。猫の首筋につける投薬が簡単なスポット剤は、6週齢の子猫から使用でき、フィラリアのほかにもノミなどの寄生虫も同時に駆除・予防できるものがあるので、動物病院で相談するといいでしょう。
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【調査方法】
Petwellのユーザーに対し、インターネット上でアンケートを実施
【調査期間】
2013年12月24日~12月31日
【有効回答者数】
283件(猫オーナー131件、犬オーナー152件)