犬のアレルギー性皮膚炎の請求件数を月別に集計したところ、2月が最も少なく、3月から増加傾向が見られた。ヒトの場合、花粉に対するアレルギー(花粉症)は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状が見られるが、犬の場合には、くしゃみ、鼻水など呼吸器系の症状よりも、皮膚炎の症状として多く発症する。そのため、花粉が飛び始める3月から、花粉をアレルゲンとするアレルギー性皮膚炎により件数が増加することが考えられ、犬でも、花粉への対策が必要であることがわかる。
また、犬種別の発症率を調査したところ、発症率が高かった上位5犬種は「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」「フレンチ・ブルドッグ」「ワイアー・フォックス・テリア」「柴犬」「シー・ズー」で、テリア系の犬種や短頭種に多い傾向が見られた。
犬の花粉対策は、ヒトと同じように花粉ができるだけ体につかないようにすることが重要。散歩は花粉が少ない時間帯を選ぶ、外出時には洋服を着せてあげる、散歩から帰ったら濡れタオルやウェットシートなどで体を拭くなどで花粉の付着を減らすことができる。
※アレルギー性皮膚炎
アレルゲンによって、犬の体内の免疫機構が過剰に反応するために生じる皮膚炎で、アレルゲンの種類にはノミやハウスダスト、花粉や食物などが知られている。主な症状は皮膚のかゆみで、かゆみがでる部分は耳、脇、股、足先、口や眼の周りなどが多く、犬が体をしきりに舐めたり噛んだりする行動が見られる。最近では、アレルギー検査によりアレルゲンが特定できることが多くなっている。