調査の結果、21に分類した疾患のうち、日本犬は14疾患で発症率が犬全体の平均を下回り、他の犬種よりも病気になりにくい傾向にあることが分かった。日本古来の品種であり、日本の環境に適応していることや、自然なブリーディングが行われていることが要因として挙げられる。
なかでも特徴的なのは循環器疾患と腫瘍疾患。心臓病などの循環器疾患については、犬全体では4歳を過ぎたあたりから発症率が上昇し始めるのに対して、日本犬では6歳過ぎから緩やかに上昇が見られた。また、10歳での発症率は日本犬だと2.7%にとどまり、犬全体の平均の約1/5の発症率だった。
腫瘍疾患の発症率も全年齢において犬全体の平均発症率を下回っており、10歳時では犬全体の平均の約1/2という結果になった。
一方、皮膚疾患については全年齢において犬全体の発症率を上回っており、注意が必要だ。ペットの家族化にともない、人間同様の疾患が増加する傾向にあるが、日本犬も飼育環境が屋外から室内に変化することで、皮膚疾患が増加した可能性が考えられる。