犬の循環器疾患の発症率を年齢別に集計すると、年齢とともに上昇し、9歳以上では14.4%と高い値を示した。また、人の循環器疾患の発症率と比べると、成人においては犬の7歳に相当する45歳以降に上昇する傾向が見られることから、犬も人同様の発症傾向があるといえる。
循環器疾患における通院の平均診療費単価は9,274円で、年間の平均通院回数は4.5回。全疾患平均の平均診療費単価が8,784円、年間の平均通院回数は2.6回であることから、循環器疾患は慢性化する傾向があり、平均診療費単価も高めだという結果が出た。
また、2008年度の人気犬種のうち、上位3犬種であるチワワ、トイ・プードル、M・ダックスで発症傾向を調べたところ、チワワとトイ・プードルで全犬種平均より高く、M・ダックスでは低い傾向が見られた。一方、同社との契約頭数の多い上位16犬種のうち、キャバリアを筆頭に、ポメラニアン、マルチーズなどは発症率が高く、特に注意が必要だ。
好発犬種ばかりでなく、愛犬が5歳を過ぎたら、運動時の様子や舌の色(青っぽくなっていないか)をこまめにチェックするとともに、咳や運動をすると疲れやすいなどの症状が見られたら、早めに動物病院を受診し、循環器疾患の早期発見に努めるように心がけたい。