ニュースレターによると、一部の無責任な飼育により、日本では年間30万頭以上の犬や猫が殺処分されているという。この問題を改善するために、ペットの去勢・避妊についてしっかりと考え、理解を深める必要がある。
まず知るべきなのは、ペットの発情期について。発情の時期は、犬と猫とでは異なる。猫の場合、早ければ4ヶ月齢、通常は10ヶ月齢程度で、日照時間が長く なる春から晩夏にかけて、年2~3回発情期を迎える。ただし、室内飼育の場合は、日照時間や気温の変化に影響を受けることが少ないため、これに当てはまる とは限らない。
犬の場合、発情の時期や周期は、季節とは関係ない。通常、約10ヶ月齢以上のメスに年2回発情期があり、オスはメスに影響されて、いつでも発情できるよう になっている。そのため、メスであれば、健康状態のチェックで発情期のサイクルを把握できるが、オスならば、飼い主がコントロールすることは難しい。
飼い主は、現在飼育している犬・猫がオスかメスかに関わらず、その子犬・子猫に対しても責任がある。子犬・子猫を育てることができない、あるいは代わりの 飼い主を見つけることができないのならば、発情期に他の犬・猫と接触させないことのほかに、ストレスや確実性を考慮すれば、去勢・避妊手術も選択肢の一つ として考える必要がある。
去勢・避妊手術の副作用として、犬・猫によっては、多少太りやすくなることが挙げられるが、これは食事のコントロールで解消することができる。その一方 で、手術を受けることで、犬・猫とも、オスであれば精巣・前立腺腫瘍、メスであれば子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍などにかかる確率が激減するという、健 康面でのメリットにも注目する価値がある。また、発情期を我慢させることによるストレスが軽くなり、オスであれば部屋中にマーキングするといった問題行動 もなくなる。
ペットの去勢・避妊手術については、人によっていろいろな考え方があるが、最終的には飼育環境やペットの健康状態などについて獣医師に相談し、飼い主が手術について十分理解したうえで、納得のいく選択をすることが大切だといえる。