【症状】急性では後足をあげたまま歩くなど。慢性では足を引きずるなど。
前十字靭帯断裂を起こすと、急性断裂の場合では後足をあげたままの跛行や少しだけ足を地面につけての跛行が見られます。慢性化したものでは、足を引きずる跛行や立ったり座ったりの動作がつらそうな様子も見られます。前十靱帯の断裂後、体重が軽い犬の場合は症状が和らいで跛行が目立たなくなることもありますが、体重が重い場合には変形性骨関節症(DJD)を引き起こし、さらに症状が悪化することがあります。この病気は加齢に従っての発症がよく見られますが、大型犬種では若齢での発症も見られます。
【原因】事故や激しい運動、肥満による膝関節への負担
事故や激しい運動などによって急激な圧力が加わることが、前十字靭帯断裂の原因となります。また、老化による靭帯の脆弱化や、肥満による膝関節への負担の増加が原因となる場合もあります。
【治療】保存療法か外科療法を選択
前十字靭帯断裂の治療方法として、保存療法と外科療法があります。保存療法では、安静にする、抗炎症薬を投与する、などして炎症が治まるのを待ちます。外科療法では、切れた靱帯の代わりに膝関節の動きを安定化するため、靱帯の再建手術などが行われます。
【予防】激しい運動を避け、適切な食事管理で肥満を防止する
日頃から激しい運動はできるだけ避け、食事管理をしっかり行って、肥満させないように心がけましょう。また、フローリングなどの硬くてすべりやすい床は、膝への負担がかかりやすいので、室内飼育する場合は、じゅうたんやマットなどを敷くと良いでしょう。