【症状】幼犬では下痢や脱水など。成長不良の原因にも
コクシジウム症にかかると、水様性の下痢をします。ときに粘液や血がまじった下痢をすることもあります。下痢にともなって、幼犬では脱水が見られます。特に幼い犬ほど脱水がひどくなり、嘔吐や食欲の低下を生じます。このため成長不良や衰弱が起こることがあります。
成犬では、軟便などが見られるほかは目立った症状が現れません。しかし、他の寄生虫感染により、下痢が悪化することもあり、慢性感染では体重が減少することがあります。
【原因】コウシジウムが犬に寄生することで起こる
コクシジウム症は、コクシジウムが犬に寄生することが原因です。感染した犬のフン便と一緒に排泄されたオーシストと呼ばれる卵型のコクシジウムが、何らかの拍子で犬の口に入ることで感染します。感染犬は症状が回復した後も、しばらくの間はフン便と一緒に病原体を排泄して、他の犬への感染源となります。
【治療】抗コクシジウム剤を投薬する
コクシジウム症の治療には、サルファ剤などの抗コクシジウム剤が有効です。通常、1週間ほど投薬しますが、便検査の結果によっては、さらに長く投薬し続ける必要があります。脱水を起こしている場合には、その治療も行います。再感染を避けるため、飼育環境の消毒も欠かせません。
【予防】飼育環境を清潔に保ち、健康維持に努める
コクシジウム症の予防として、飼育環境を清潔に保ち、健康を維持することが大切です。他の寄生虫に感染しないようにも注意しましょう。なお、フン便と一緒に排泄されたばかりのコクシジウムのオーシストは未成熟で感染力はありません。フンを放置せず、すぐに回収すれば、感染を予防することができます。