【症状】初期症状はほとんどなし。進行すると運動を嫌がるようになる
心筋症になると、初期にはほとんど症状が見られないか、元気や食欲がやや低下している程度ですが、病状が進むと、ぐったりとうずくまることが多くなり、運動を嫌がるようになります。また、肺水腫や胸水による咳、呼吸困難などの症状が現れることもあります。心筋症では、心臓内に血栓(血の固まり)ができやすくなり、できた血栓が心臓から動脈に流れ、後ろ足などの血管に詰まる(血栓塞栓症)と、その先に突然麻痺を生じることがあります。
【原因】原因は不明。拡張型心筋症はタウリンの欠乏が関与
心筋症は、症状によって「肥大型」「拡張型」「拘束型」の3つに分けられます。このなかで特に多いのは、心臓の筋肉が厚くなっていく「肥大型心筋症」です。心筋症の原因の多くは不明ですが、「拡張型心筋症」の場合は、原因の1つとして、タウリンの欠乏が関与して発症することがわかっています。現在は栄養基準を満たしたフードの普及によって発症数は減少する傾向にあります。なお、この拡張型心筋症は遺伝が関与する場合もあるといわれています。
【治療】根本治療はなく、病型に合った薬剤を投与して症状を緩和
心筋症自体を根本的に治す方法はありません。そのため、それぞれの心筋症の型に合わせて、血管拡張薬やβ受容体遮断薬、利尿薬、また血栓を予防する薬剤などを投与して、症状をやわらげます。
【予防】早期発見・早期治療に努める
心筋症の原因はよくわかっていないため、予防する方法はありません。上記の症状が見られたら動物病院へ連れていき、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。