【症状】肉球が柔らかく腫れる。潰瘍ができると足を引きずることも
形質細胞性足皮膚炎になると、足の裏にある肉球が柔らかなスポンジ状に腫れます。1つないし複数の肉球が侵され、通常、肉球が柔らかく腫れるだけで痛みはありません。しばらくすると、スポンジ状の肉球が今度はしぼみだし、空気の抜けた風船のようになります。形質細胞性足皮膚炎はとくに目立った症状がないまま自然に治ることもありますが、肉球に潰瘍ができたりすると、出血や感染が起こり、足を引きずったり、歩くのを嫌がったりする場合があります。
【原因】免疫系やFeLV、FIVへの感染が関与か
形質細胞性足皮膚炎の発症には、免疫系が深く関与していると考えられています。また、最近では猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染が関連している場合もあるのでは、とも考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
【治療】抗生剤や合成副腎皮質ホルモン剤の投与、金療法、外科手術など
形質細胞性足皮膚炎の治療では、ある種の抗生剤や合成副腎皮質ホルモン剤の投与、金療法などが行われます。また、侵された肉球を切除する外科手術が行われることもあります。なお、中には自然に治ってしまう場合もあります。
【予防】気になる症状があれば病院へ。感染症予防もしておくと安心
形質細胞性足皮膚炎は原因がわかっていないため、有効な予防策はありません。日頃から愛猫を観察し、もし肉球に疑わしい症状が現れたら動物病院で診察を受けましょう。ただ、猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染症が関与している可能性もあるため、できればこれらの予防を行うようにしましょう。