【症状】病型は3種類。それぞれ症状は異なる
好酸球性肉芽腫症候群の代表的な病型は3種類ありますが、それぞれ症状が異なります。
無痛性潰瘍(むつうせいかいよう)では、おもに上唇や上あごに赤褐色で光沢のある潰瘍病変がぽっこりとできます。境界は明瞭で、病変部の周囲は少し盛り上がって、その中心部はややへこんで白っぽく壊死していることが多く、ときに出血することがあります。無痛性潰瘍の見た目は大変痛々しいのですが、通常、痛みやかゆみは見られません。これはメス猫に多く見られます。
好酸球性プラーク(好酸球性局面)は、おもに腹部や内また、脇の下、首、指の間に病変が見られます。病変部にはかゆみをともなった脱毛と紅斑(皮膚の赤み)があります。境界がはっきりしないびらん(ただれていること)を生じることもあれば、境界のはっきりした大きな局面(皮膚の異常な盛り上がりで、表面は平らな病変)が多数できることもあります。
好酸球性肉芽腫は、おもに太ももの後ろ側や腹部の横側、前足の外側などに病変が見られるタイプ(線状肉芽腫)と口の中に大きな肉芽腫ができたりするタイプがあります。線状肉芽腫はその名の通り、一直線の線状病変で、紅斑と脱毛、フケが見られますが、かゆみはほとんどありません。これは生後半年から1歳齢頃に見られます。口の中に好酸球性肉芽腫ができるものでは、食べ物や水が飲みにくいといった症状が見られることがあります。
【原因】アレルギーやウイルス感染、自己免疫系疾患などが関与
好酸球性肉芽腫症候群のはっきりした原因はよくわかっていません。しかし、アレルギーやウイルス、細菌などの感染、寄生虫や蚊による虫さされの過敏症、自己免疫系疾患、遺伝的要因などが関与している可能性が考えられています。
【治療】原因に合わせてアレルゲンの除去や対症療法を
好酸球性肉芽腫症候群にアレルギーが関係していると考えられる場合は、アレルギーの原因と推測されるものを除去します。また、対症療法として合成副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の投与を行ったり、レーザー療法、外科手術などが用いられる場合があります。
【予防】気になる症状があれば早めに動物病院へ
好酸球性肉芽腫症候群の予防方法は特にありません。愛猫の皮膚や唇、口腔内に異常を感じた場合は、動物病院で早めに診察を受けさせるようにしましょう。