【症状】歩き方が不自然になり、触られるのを嫌がる
脱臼が、肘や膝、股関節などの四肢の関節で起きた場合は、脱臼した足を浮かせたり、その足をかばうように歩いたりします。落下事故や交通事故などで脱臼を起こした場合には、骨折や靭帯の損傷をともなうほか、内臓の損傷や他の外傷が認められることがあります。外傷性の脱臼で、靭帯や腱の損傷が著しいものや、骨折をともなうものでは、患部が熱をもったり腫れたりし、その足には力が入らずに不安定な状態になります。そうなると痛みもひどく、脱臼や骨折などを起こした部位周辺を触られるのを嫌がります。また、一度脱臼を起こした部位は、再脱臼しやすくなることがあります。
【原因】高いところからの落下事故や交通事故に注意
脱臼は、関節に大きな力や強い衝撃が加わったときに起こります。猫の場合では、おもに高いところからの落下事故や交通事故によって起こるケースがほとんどです。また、これら後天性のものだけでなく、先天性の脱臼も見られます。
【治療】脱臼部位の整復が基本。処置後は患部を動かさないこと
脱臼の治療の基本は、脱臼した部位の整復と固定です。程度や部位によって麻酔や手術が必要になることがあります。
【予防】室内飼いが一番の予防方法
脱臼は予防することは困難ですが、多くが野外で起こるため、室内飼いに徹することが最も良い予防法になります。また、猫同士のケンカでの脱臼を防ぐため、避妊・去勢手術を受けることも予防につながります。このほか、肥満になると関節に負担がかかり脱臼しやすい場合があるので、肥満にならないよう、あるいは肥満を解消するよう、適切な飼育・管理などに気をつけるようにしましょう。