【症状】発熱や痛み、食欲低下など。進行するとしこりが感じられるように
脂肪(組)織炎になると、その名の通り、脂肪組織で炎症が起こります。このため、発熱と痛みをともない、食欲が低下し、元気がなくなります。また、活発さが減り、体に触れられるのを嫌がるようにもなります。病状が進行すると、皮下脂肪の部分にごつごつとした硬いしこりが感じられるようになったり、お腹の中にしこりが感じられたりします。
【原因】ビタミンE不足と不飽和脂肪酸の過剰摂取が重なって発症
脂肪(組)織炎は、栄養不良が原因で起こる病気です。抗酸化剤として機能するビタミンEが不足している状態で、マグロやカツオ、アジなどの青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸を過剰に摂取し続けると、脂肪の壊死を引き起こす過酸化物質が体内で作り出され、それにより脂肪(組)織炎を生じます。最近では市販フードに抗酸化剤が添加されるようになったことから、まれな病気となっています。ただ、この病気は何らかの感染症や炎症性疾患、腫瘍などによって、二次的に起こることもあります。
【治療】食事内容を改め、ビタミンE製剤などを投与
脂肪(組)織炎を治療する場合は、その原因となる栄養不良を引き起こした食事内容を改め、総合栄養食と記載のある適切な栄養素を含むキャットフードに切り替えます。同時に、欠乏しているビタミンE製剤やほかの抗酸化剤の投与を行います。また、炎症を抑えるために、抗炎症剤の投与も行います。
【予防】適切な栄養バランスのキャットフードを与える
脂肪(組)織炎の予防には、魚類中心など偏りのある食生活を控え、総合栄養食と表示されている、栄養学的にバランスの取れた適切なキャットフードを与えることが大切です。また、魚を与えるときはおやつ程度とし、1日に必要なカロリーの5~10%くらいを目安に与えるようにしましょう。